サンモリッツ連泊の中日。
ベルニナ特急には乗らず、普通列車で路線沿いを途中下車してサンモリッツに戻る予定。
近頃はこういう行程を組む一般ツアーも多く、08:45サンモリッツ発の普通列車は日本人グループがいっぱいの状態。多くはディアボレッツァ展望台まで行って戻るだけだが、某グループはなんとイタリア領ティラーノまで行って昼食にイタリア料理を食べ、帰路にモルテラッチでも下車して氷河近くまで歩く行程。
ううん、ここまで盛りだくさんになるとたいへんでしょう。
しかし、今日の我々にもちょっと違うこだわりがあった。
通常は列車でささっと過ぎてしまうループ橋(この写真)を途中下車して見学しようというのである。
このアイデアは、このスイス《手造の旅》を「やりましょう」と背中を押してくださった方が最初から言われていたものだ。
はじめ小松は、労力も時間も無駄が多いので躊躇したが、実際には手間をかけてこういう動きをする事こそが《手造の旅》の贅沢に違いない。
最寄のブルジオ駅を降りてループ橋見学にかけられる時間は、時刻表によると一時間十五分程度。 地図では道なりに行けば着くようだし、行った事のある方によれば徒歩十分ほどだという。
ちょっと心配しながら列車がブルジオ駅に近づくと、何のことはない坂の先にループ橋が見えてきた。
ブルジオの駅は無人駅なので車内の「停車希望」ボタンを押しておかないと止まってくれない。
降りると、気温がサンモリッツとは全然違う。1800mから400メートル近くまで降りてきているのだから当然か。
ループ橋には見込みどおり十分ほどで到着。
さて、我々が見ていられる時間に列車はくるのか?
ベルニナ線の時刻表を見ているとどうやら我々のあとに続いている特急をみられそうだ。よかった…と、その時イタリア方向から早くも列車がやってきた。
急勾配と急カーブをゆく列車はキーンキーンと金属音を響かせながらループ橋を登ってゆく。 これは鉄道ファンでなくてもなかなか楽しくさせてくれる光景だった。
※写真はパノラマ機能で三枚をつなげたもの。うまくつながっていなくてループ橋がちょっと角張っておりますが、ご容赦を。
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ブルジオからサンモリッツへ戻る途上、さらに「峠の展望台へいきましょうよ」と、これもスイス《手造》のきっかけメンバーから声が上がった。
時刻表を調べてみると、なるほど一時間程アルプ・グリュム駅で時間をとることが可能である。実現しましょう。いつもこうして皆さんに助けていただいております。
アルプ・グリュムはサンモリッツのあるエンガディンの谷の終わりにあたるところ。駅から少し登った峠のロッジからは壮大な氷河とイタリアへ向かう谷にあるポスキアーボ湖までが見渡せた。
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五時過ぎ、サンモリッツ駅近くのホテルに到着。
今日は多くの皆さんお疲れ様〜、あんまり外へ食べに出たくない様子だったので、ホテルのダイニングで急遽軽い食事を出してもらう事にする。
サラダ・バッフェときのこのリゾット。いつものように塩分は濃い目だったがおいしかった。