ルツェルンからピラトゥス山へ登り、ロートホルンクルム泊の一日。
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ルツェルンの朝、空気は冷たかったが晴れて良い散歩日和。
バスに荷物を置いて、駅のすぐ隣のホテルを徒歩で出発。カペル橋を渡り旧市街へ入る。そこから「ライオン記念碑」を見学してバスへ乗車。ピラトゥス山へ登るゴンドラ乗場へ行く。
眼下にルツェルンの市街とその面する湖が見えてくる。乗り換えて標高約二千メートルの山頂駅を目指す。・・・と到着少し前、視界は真っ白に変わった。
山頂駅を出ると、写真一番下のような様子で自分達の居る建物さえ見えない。 晴れていれば、眼下に逆落としの風景がひろがっているのだが・・・それを言ってもしかたがない。
しかし、こういう不運な時にどのような別の喜びを提供できるかが、我々案内者・企画者の存在意義なのだと思う。
もちろん霧を晴らす事は出来ないが、「霧でがっかり、こんなところまで来た価値なかった」と思わなくてすむものはないか?
そう、ここにはちょっとおいしい食事を出すレストランがある。昔からある老舗ホテルが改装中だったので心配したが、営業していた新しいターミナルビルの上階に行くと、セルフサービスレストランのとなりに、マネージャーが待っていてくれるタイプのレストランがあった。
「アスパラあります?」
ここまで来ても先月のイタリアが忘れられないので、こう訊いてしまった(笑)。
「あるけれど、全員分にはちょっと足りませんねぇ」とマネージャー氏。「マカロニとあわせてみてはどうでしょう」という提案にしたがって出されたのが一番上の皿。
白アスパラガスをカットしてカルボナーラ風に仕上がったソースのマカロニにまぜてある。さらっとした食感がおいしい。スイスの白ワイン、ファンダンとよくあった。
次にスイスの名物料理として知られるラクレットをオーダー。これはレストランによってさまざまな提供のされ方をするのだが、今回はまたはじめての調理スタイルである。
コンロで熱くした上にスライスしたチーズを乗せる。しばらくしてぷつぷつと溶けはじめたところへホカホカゆでたお芋を乗せてからめとる。
「霧で残念だったけど、おいしかったわねぇ」
よかったよかった。