フィレンツェ連泊の中日。
いつもの観光とは趣向を変えて、バルジェッロ美術館と市内を歩く半日観光。午後は希望者のみウフィツィ美術館へ。
今日特にガイドをお願いしたNさんは、小松もじっくり聞きたい話をしてくださる。・・・通りいっぺんとは違う深い話をしていただこうと思った。 それだけの勉強を日々している方にはそういう機会が与えられるべきである。
バルジェッロ美術館はすばらしい彫刻作品が並ぶ。特に一階はミケランジェロとジャンボローニャ、二階はドナテッロの一連の作品が中心。
有名作品をかいつまんで紹介してもらうのが通常の観光かもしれないが、重要な作品をひとつじっくりと解説してもらう方が、かえって全体の価値がわかったりするものだ。
ドナテッロの「ダビデ」についてこれだけしっかりした説明を聞ける機会はそうないだろう。もともとどのように鋳造されていったのか、どこへ置かれるために、どんな高さに設置されていたのか?
そのために形状にどんな特徴が出たのか。低い位置から見た時にはみえなくなる場所に小さな穴が開けられていた。なるほど。
たとえば、屋内に置かれる場合と屋外におかれる場合では光の反射が違う。屋外への場合に、ドナテッロは肌の表面をわざとざらざらにしてつや消しをほどこしている。なるほど。
十五分以上「ダビデ」の前でそんな話をしてくださったNさんは、「すいません、ドナテッロ大好きなんです」と苦笑した。
いやいや、こうして好きな話をしていただけると、結局のその気持ちがこちらに伝わってくるのです。「好き」がなくてはどんな話も伝わりませぬ。
※写真はドナテッロ作「サン・ジョルジョ」。オン・サン・ミケーレ教会の外壁に現在あるレプリカです。この表情がミケランジェロのダビデにつながっていくと、確かに感じます。
※※バルジェッロの他にも洗礼堂や大聖堂の諸所おもしろい逸話をいろいろ紹介していただいたけれど、また追々書いていきす。
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昼食はセルフで軽くすませる。もちろん、夜にしっかりおいしく食べる為に。
午後三時から希望の方はウフィッツィ美術館へ。
小松は「天気が良いからボボリ庭園でも」と思って行ったが、あまりの行列で断念。今日までイタリアの「文化週間」で国立博物館関係は入場無料なのだそうだ。
帰路、ダンテの家に入り、彼の時代の背景や「神曲」における天国と地獄の立体図などを見る。
ホテルに戻り夕食まで休憩。
19時半から、実はきのうも個人的に行ったレストランへ9人全員で。ズッキーニサラダや今日もアスパラ(笑)何回目?