今晩20:45にミラノ発のJALにて成田へ出発する予定。
せっかくだから近郊へのオプショナルツアーを企画した。
ミラノからの半日観光というとどこの旅行会社でも判で押したように「コモ湖」となるのだが、せっかく時間がたっぷりあるのだから、ちょっと穴場へご案内したいと思った。
今日までイタリアの定番四都市をまわってきて、日本人グループに出会わない日はなかった。 それぞれの場所はもちろん充分素晴らしかった。
けれど、人間は欲張りなもので「知らなかったけれど良いところでねぇ、日本人なんて全然いなかったよ」と帰国して友達に言える様な場所へ行ってみたい気持ちは必ず持っている。
マジョーレ湖にうかぶボロメオ諸島(13世紀以来ボロメオ家が所有するのでこう呼ばれている)、とりわけイゾラ・ベッラ(美しき島)はそんな気持ちを必ず満足させてくれる場所だと、数回しか行ったことはないけれど小松は確信しております。
ボロメオ家は、あのミラノ大聖堂の主祭壇下に安置されている聖人カルロ・ボロメオを出した由緒ある名家。現在も大金持ちとして存続している。
マジョーレ湖に浮かぶその島に脅威の階段庭園と宮殿がつくられたのは1630年代の当主ヴィットリオ・ボロメオによる。それから一度も火災に遭わずに現在まで続いている。
写真を見ていただくとお分かりのように、湖を囲む山々には雪が美しく、この湖の北端はもうスイスであることがはっきり感じられる地形である。
アルプスを越えてイタリアへ入るメインルートにあたるこの地には、かのナポレオン・ボナパルトもジョセフィーヌと共に滞在。宮殿にはその時の宴会の様子が銅版画で残されている。
1935年にムッソリーニが英仏の首相と共に会談した「ストレーザ会談」の部屋もそのままである。
ボロメオ家の方々が夏に滞在するこの宮殿もおもしろいが、付属の庭の方こそもっと訪れる価値があるだろう。写真下が階段庭園の頂上テラスである。
白と黒の火山岩を用いてシックにデザインされた庭園には、派手でなく華麗な白い孔雀が放されている。
昼食はとなりの島、ペスカトーリ島のトスカニーニも訪れたレストラン。シーズンはじめでまだ空いたダイニングで、今回の旅最後の食事をゆっくりいただくことができた。