国立美術館の「長谷川等伯展」があまりの長蛇の列だったので、「じゃ、こちらでも」と思って入ってみたのだが、思いのほか楽しめるものだった。
国立西洋美術館は川崎造船初代社長・松方幸次郎のコレクションが基礎になているのは有名。その友人でコレクションの選択にもかかわってきたのが、彼と近い年齢のこの絵描き・デザイナーであるブラングゥインという人だそうだ。はじめて知った。
http://www.fb2010.jp/main/exhibition/detail/artist.html絵描きというよりも時代のデザイナーという立場で仕事をしていた人のようにみえた。絵を描くことというよりもデザインで稼ぎ出していた人ではないだろうか。
しかし、絵画作品「海賊バカーニア」はすばらしかった。ポスターで見た時にはたいして興味をそそらなかったのだが、本物は色彩が躍動して実に美しい。出世作だという「水葬」と並べて展示してあるが、対照的な色調がおもしろい。
空いた館内でゆっくり展示と対峙できる環境は重要です。