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アルハンブラに残る紋章型デザイン
2010-03-10
グラナダ、アルハンブラ宮殿のオリジナルデザインとされる部分にこのような西洋風の紋章がほどこされていた。

中に書かれているのはアラビア文字であるがなんとかかれているのかは読めない。キリスト教時代以前にこんなデザインがアルハンブラで利用されていたのだろうか?

もしかしたら、キリスト教徒時代改修させた部分で、職人だけはイスラム教徒という場合もありえる。支配者がかわっても市井のひとびとはおいそれと逃げ出したり生き方を変えたりは出来ないものだから。


アルハンブラをいつも案内している地元スペイン人ガイドさんに訊ねたところ、これは確かにイスラム時代のデザインになるそうで、イスラム教徒がキリスト教徒の使っていたデザインを真似たものだそうだ。

とすると、時代は15世紀以前。

西洋の紋章のはじまりはイギリスのブラック・プリンスになるといわれる。ブラック・プリンスは1330年の生まれなので、西洋紋章というのはそんなには古くない。

アルハンブラ宮殿の核心部分が建設されたのはおよそ13世紀後半である。 もしアルハンブラの建てられた当初からのデザインだとすると時代が合わない。 アルハンブラの方が紋章の起こりよりも古いという事だ。

しかし、建築と内装というのはなにも同じ時代であるとは限らないから、このデザインは15世紀に行われていたということは充分にありえる。

また、紋章のそもそものかたちは盾であるだけだから、ここに文字を書いたモチーフがそもそも「西洋」のものではないという考え方も可能である。

盾というのは、歴史的に実にさまざまであるが、人類の戦いの歴史とともに存在するのだから。



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