伊丹は空港があることばかりで有名だが、古くからの酒所でもある。
江戸時代はじめの1634年から造り酒屋の建物だったという、兵庫県最古の家屋だそうだ。岡田家の所有になったのは明治三十三年から。
内部はあたらしくきれいに建てなおされているが、八割は「破壊された」後、古い木材を使ったのだそうだ。
「破壊された」?、そう、ここもまた阪神淡路大震災で大きな被害を被った。
しかし、一度壊れたがゆえに発見されたものもある。
写真下の古い礎石は、最も古い時代の建物の柱を乗せたものだった。これが発見されたので、現在の建物はこの礎石にあわせて再建された。
つまり、地面の石はオリジナル。上に乗せられた木は複製建築ということ。
また、倉庫の屋根裏からは、建築した大工が書き記した棟木も見つかり、建築年代をはっきり特定する事が出来たのであった。