ニュルンベルグの守護聖人・ゼヴァルドゥスの棺。
教会に置かれていたのはレプリカで、本物が「ゲルマン博物館」にある事をはじめて知った。この写真がその博物館にあった本物である。
ニュルンベルグの皇帝の城が出来始めた中世、人々に徳を慕われたゼヴァルドゥスがそのふもとに住んでいた。亡くなろうとするとき「亡骸を牛に引かせて、それが止まったところに埋葬せよ」と言い残し、その場所に人々が巡礼する教会が建てられた。
しかし、その棺の本物は…
遺骸はもしかするとまだ教会におかれたレプリカの中にあるのかもしれないが、少なくともこの金属カバーは中世の工芸品としての価値が高いゆえにこうして「ゲルマン博物館」に移動されている。
そして、その底板にこんな鮮やかな天使が描かれているなんて、博物館で展示されているのを見るまで全く知らなかった。
誰も見るはずはない場所に、何百年も封印されていただろう板絵。
世俗の人々に見せるためではなく、信仰心が描かせただろう絵、か。
そういえば、エジプトの墳墓に描かれている絵画もまたそういうものだったのかもしれない。