午前、新幹線で大阪より戻り、12月8日出発のドイツ・クリスマス市ツアーのうち合わせ。
参加者ネームリストを見ると最後に三名の名前が付け加えられていた。それにはどうも覚えがある・・・え!?このお名前は、つい先日11月29日までチェコ、オーーストリア、ハンガリーのツアーにご一緒していた方ではないか?
別紙にメモ書きがあり「小松さんが添乗ということで参加」とあった。やはり同じ方々であった。
そういえば「次はどちらへ」と訊かれて「12月8日からドイツのクリスマス市です、なかなか良いコンディションのツアーですよ、人数もそれほど多くないですし」とお答えしたっけ。
冗談ぽく笑いながら「今からでも参加できますかね?(笑)」と質問されたので、「帰国した日からだと十日しかないからもう締め切っているでしょうね」ともお答えした。
通常は十日前に申し込むというのは無理である。
実際締め切っていたのだが、「そこをなんとか」で入れてもらったとの事であった。飛行機もホテルも残席があってよかった。
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一般パッケージツアー「添乗員さん」が同行するツアーで、参加する方がもっとも予想できないのは、どんな「添乗員さん」が同行するか、だろう。
二十年の経験があるとか、外国語がいろいろしゃべれるとか、そういう事は、いわゆる「相性」とは関係ない。自分とテンポがあうかどうかは実際数日過ごしてみるまで分からないのだ。
だからこそこんな風に信頼していただけるのが嬉しい。
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18時ごろ、上野で「古代ローマ帝国の遺産」展見学。
この展覧会で、ちょっとブス犬のシュンクレイトゥスを見かけた。
火山灰に埋もれたポンペイの家の壁に画かれていたのである。
もさもさした茶色い毛にびっくりしたようにくりっとした両目。ぶたっ鼻に半開きの口。猟犬でも観賞用の美人犬でもない。愛嬌あるただの飼い犬。
「飼主はこの子をかわいがっていたんだろうなぁ」
誰でもこの絵を見ればそう思う。そばに白い字で名前が書かれている。
飼い主は愛犬を壁画に入れてくれるように注文したのだろう。
解説を読む限りではそう理解して間違いはない。
・・・しかし、しばらく見ているうち、絵がどうもしっくりこない。犬の前足はちと長すぎるし、なんだか納まりの悪さを感じる。
すぐ左に画かれた鳥の描き方と明らかに違う。描かれている場所がおかしい。
他の動物がちゃんと枠の中に納まって描かれているのにくらべ、シュンクレイトゥスくんは枠の間にまたがって描かれている。
これは、もしかして・・・素人があとから書き足したのではあるまいか?
そう考えると、描かれている場所が枠と枠のあいだになっているのもそのせい。
ちょっと下手なのも納得。きっと飼い主か身内の誰かが、家の壁絵に付け足して描いたのだろう。おかげで愛犬シュンクレイトゥスは二千年後に名を残した。
※描き足したかどうかはあくまで小松の推量です。