12月8日からドイツのクリスマスツアーに出発するので、それに向けてそろそろ課題探し、と思っていた。
すぐに浮かんだのが11月25日に訪れたウィーン美術史美術館で見つけたデューラーの画いた祭壇画。
これはニュルンベルグの富豪ラウンダウアー家が設立した「十二兄弟の家」という、年老いた職人たちの為のいわばリタイアメントハウスの礼拝堂に飾られていた。
ドイツ中世の民衆の暮らしを、分かりやすく理解させてくれる「中世の窓から」という阿部謹也さんが書かれた本に、この施設について詳しく書かれていた。
だから、この絵の解説に「十二兄弟の家」という記述を見てすぐに「あ!これか」と結びついたのである。
設立者・ニュルンベルグの富豪ラウンダウアー家。
画面左で毛皮を身につけている長髪のマテウスが当主=祭壇の注文主。右側で甲冑を身に着けた(ちょっとわがままそうに見える(笑))のがその息子。
一番下にはデューラー自身も小さく登場している。
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美術史美術館の解説には書かれていなかったが、調べていくとこの祭壇画の額は精巧に作られた後代のコピーだと分かった。 1508年当時デイューラーがデザインしたオリジナル品は、ニュルンベルグのゲルマン博物館にあるとの事。
以前ニュルンベルグに滞在した時、この博物館には入っていたので見ていたのかもしれない。しかし、知らないで見ていては結局見ていないのと同じ。
今回のニュルンベルグ滞在のあいだに見ることが出来ればうれしいのだが。さて。