南仏、ヴェゾンのローマ遺跡の一角にある岩山をぶち抜いた通路。
ヴェゾン・ラ・ロメーヌという名前どおり、ローマ起源の町。いや、実際はローマに征服される以前の部族にとっても重要な街だったらしい。
ここでは中世よりも古代の街の方が大きい。山の上の中世都市ではなく、住みやすい平地の一角にローマ遺跡が広がっているのは、古代=ローマ時代のほうが治安が良かったということである。
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遺跡の地図を見ていてローマ帝国都市につきものの劇場をみつけた。
円形闘技場が出来る以前の半円劇場はほとんどが丘の斜面を利用して造られている。つまり、そこは居住区からは丘を越えた向こう側になる。行くには丘越えしないといけないのかなぁ・・。
と、近づいていくと、突然こんな通路が目に入った。地図上で点線に描かれていた「トンネル」というのは、なぁるほど、これだった。
山があれば登る道でも迂回する道でもなく、トンネルを掘ってしまったローマの人。たくさんの人が集まる劇場にいくのに出来るだけ合理的な道をつくろうというこの考え方は、ローマの街道作りと同じ。いかにもローマ的である。