世界の写真」では
国別に小松の撮影した写真をお見せしています。

ツアコンモバイル通信」は
日本旅行HP内に掲載した
お話を国毎にまとめました。

手作りの旅》は
こま通信」企画の旅です。
こま通信のお問い合わせは
komatsusin2@gmail.com

までお願いします
ユーザ名:

パスワード:


パスワード紛失

新規登録


★ こま通信日記 ★


2009 年 10 月
    1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31


Search
「ゲルニカ」撮影可
2009-10-31
丘の上の街、カルモナの朝。
元のお城を利用したパラドールのテラスからは緩やかに続く褐色の丘が見張らせる。

パラドールの朝食はメニューも素材もとてもよく考えられたものなので、朝ゆっくり出発できる今日のスケジュールは良い。

9時過ぎにカルモナを出発し、セビリア発のAVEスペイン新幹線乗車。二時間半でマドリッド、アトーチャ駅に到着。車両も新しくなり以前よりずっと快適な印象だ。

13時半、グランヴィア近くの日本食レストラン。

14時半からマドリッド市内観光。
プラド美術館は新しい入り口が出来て、特別展示室もオープンしたようだが、我々はいつもの見学メニュー。つまり、エル・グレコ、ヴェラスケス、ゴヤを中心に一時間ほどガイドさんに解説してもらう。

買い物はスペイン広場近くの三越へ。
ここも今年12月いっぱいで閉めてしまうのだそうだ。

**

18時前、アトーチャ駅近くのウサホテルへチェックイン。
ここは場所が良い。何が良いと言ってピカソの「ゲルニカ」を所蔵するレイナ・ソフィア美術館が目の前なのが便利。

今晩はこの後19時半にホテルを再出発して夕食とフラメンコだが、その前にさっと見てくることが出来る。忙しい行程の合い間にこんなことが出来るのはひとえにホテルのロケーションが良いからだ。

「見学したい方は18時10分ロビー集合しましょう。しかも土曜日午後は入場料無料ですって!」
と、声をかけて十数人で道路向かいの美術館へ入った。

レイナ・ソフィア美術館はピカソ以降の現代アートを主に展示していて、全館四階。かなり広く、スペースには余裕がある。白い壁は「元病院」の雰囲気をまだとどめていたりするけれど。

実質四十分の見学時間。
ならば、たくさんの作品を見て回るのは印象が散漫になるだけだ。「ゲルニカ」一点に絞って見てもらうことにする。
目的物のある二階の奥の展示室には何度も足を運んでいたが、いざ最短で行こうとするとなかなか遠く、道に迷う。

二度ほど曲がり間違えたが五分ほどで見慣れた展示室が近い場所に出てきた。

そこにはピカソ自身が「『ゲルニカ』と一緒に展示するように」と希望した素描やいろいろなデッサンが並べられている。「泣く女」のいろいろなヴァージョンや闘牛に突かれて悲鳴をあげる馬。これらを見てから「ゲルニカ」本作品を見る方が、なるほど作成過程がよく分かる。

作品が見えてくる前に立ち止まり、少しだけこの絵にまつわる歴史を説明する。
「ゲルニカ」ほど政治的なメッセージを含んだ絵は二十世紀でも稀だ。ピカソがゲルニカ市の爆撃に対して感じた怒りを知ってから絵に向かいあってほしい。


・・・そして
その部屋の壁いっぱいにひろがるモノトーンの「ゲルニカ」に対面した時、誰もがその迫力に息を呑む。



写真撮影が許可されるようになっていて驚いた。
はじめてみた時にはプラド美術館の別館で、遠い天井近くに厳重に防弾ガラスに守られていたのだ。もちろん撮影など出来ない。一種ピリッとした空気が作品にまとわりついていた。

その絵がこうして自由に撮影できるようになってきたのだ。
この二十年、スペインがゆっくりと市民戦争の傷を癒してきた事を感じさせてくれる。



Back
予定なし
  • (2014-9-17)


  • (2014-9-17)


  • (2014-8-17)


  • (2014-8-14)


  • (2014-8-14)