ヴェゾンの案内を読んでいる時、聖ケナン礼拝堂の説明に「その珍しい三角形をしたアプスは・・・」という記述があり、写真も載っていないので、いったいどんな形なのかと気になっていた。
市内を観光する日に車でヴェゾンの町を出たところで、いきなりこの写真の石造りの建物が目に入った。
「あ!あれに違いない」
直感的に理解して、少しだけ車を停めてもらった。
確かにこれは「三角形のアプス」と表現するのがふさわしい建物である。
このアプスの部分には古代神殿の香りがまだある。
コリント式に近い装飾の付け柱とギリシャ風のフリーズ。
しかし、入り口に近い方は使われている石も全く違い、あらあらしくごつごつした中世の礼拝堂らしい雰囲気だ。
きっと建設された時代も違うのだろうが、なぜこのような不思議な礼拝堂になったのか? 近くでぶどうの木を手入れしていたおじさんはそういう疑問には答えてくれなかった。
扉は硬く閉ざされていて内部は公開していない様子であった。
今度は郷土史家のガイドさんかなんかに案内をお願いして見学したいものである。