「サンフランシスコがストームです。しかし、もうすぐ雲が北上してフライトへの影響がなくなりそうですので、しばらく出発を見合わせます」
ラスベガス空港で飛行機に搭乗したところでこんな機内アナウンスがあり、そのまま一時間半機内待機となった
サンフランシスコ空港での乗継時間は一時間半。
これで成田行きの飛行機には確実に間に合わなくなる。
待機している機内に、しばらくして「東京行きの方は・・・」とアナウンス。乗客の乗り継ぎ便情報ぐらいは把握しているから、我々東京へ帰る面々への代替便にどんな可能性があるのかをしらせてくれてたわけだ。アメリカ系の航空会社も意外と親切じゃないか?
という、好意的な感想はサンフランシスコに到着してターミナルに入ったところですぐに消えた。
日本系の航空会社が係員を配置して名前を読んでいるのに、同じ東京へ帰る飛行機に乗り遅れた我々にアメリカ系某航空会社は誰も対応するひとはなし。さて、どうしましょ?
カウンターにいたスタッフに尋ねると、めんどくさそうに「カスタマー・サービスへどうぞ」と言っただけ。どうやって行くのかさえも別の人にきかないと教えてくれなかった。
カスタマーサービスは安全検査の外にあった。
一度出るとまた入ってくるのにはベルトはずしたり靴脱がされたりとたいへんなのが昨今のアメリカの空港。やれやれ。
んでもってカスタマーサービスにきくと、「安全検査後、中の××番ゲートへ行ってそこで次のフライトにスタンバイしてください」と言う。
はぁ、そんな事だったら出てくるまえに到着したカウンターで言ってくれたら簡単だったのに、やれやれやれ。
カウンターへ着いて「乗れますか?」と尋ねても、即答はなし。お待ちください。しばらく待つしかない。
もし、これがダメなら・・・サンフランシスコから成田への直行便は同じ航空会社ではもう今日は出ていない。
アメリカの他の空港からの便は? ううん、それも午後のこの時間になると間に合わない可能性が高い。 日本系航空会社の便が一便あるが、それに振り替えしてくれる?・・・その可能性はかなり低いだろう。
今日これで乗れなかった場合には・・・サンフランシスコで一泊になるかも、その場合には航空会社に出してもらえるように話しなくちゃ・・・そんな事を思案しながら待つ。
他にも何人か同じ事情で乗り遅れたらしき日本人がいる。
「こんなの、ふざけるな!じゃないすかぁ」と若い男の子が話しかけてくる。彼はけっこう怒っている様子だけれど、こういう時日本的に「どうなってんだ!」とやっても、海外ではまず事態は何も変わらない。変わらないどころか悪化させるかもしれないぐらいだ。
広大なアメリカにとって飛行機便というのはバスのようなものでしかない。飛行機でなくバスが欠航した後の対応には乗客の自発的な対応が必要なのだと考えれば、まぁ、少しは、納得できるかもしれない。
さて、カウンターがようやく私の名前を呼んだ。
席はばらばらだけれど、ようやく全員が帰国便の席に座る事が出来た。
五人掛けの席の真ん中に座り、ひとり思う。
「今回みたいなことがあると、日本系の航空会社のサービスはやっぱり良いなぁ。でも、そういうサービス過剰体質が赤字をうんでいるのかもしれないなぁ・・・」
「次のこの企画の時には日本系の航空会社を使おうかなぁ・・・でも、見積もりとるとアメリカ系より格段に高いしなぁ・・・」