チェコがスロバキアと同じ国家だった時代の20コルナ紙幣が写真上半分。この中で見ていただきたい部分は左下のなにやら図案のように見える文字。
下は昨年《手造りの旅》で訪れたクロアチアの首都ザグレブにあるバシュカ碑文の細部。仔細は下記の日記参照
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/iDiary/index.php?mode=show&date=20081103両者同じグレゴール(グラゴルとも表記される)文字である。
二つの国は共にスラブ民族なのだとあらためて認識した。
この文字はスラブ語を表記するためにギリシャ文字を基にして考案されたものだそうだ。
※クロアチアのガイドブックの中にはキリル文字を参考にしたと書かれたものがあったが、年代的にも形状から考えてもキリル文字からというよりギリシャ文字が元になっていると考えたほうが自然である。キリル文字もまたギリシャ文字から考案されたものである。
言語がその地位を高めるために絶対必要なのがその言語を表記するために適した文字を持つことである。日本語はそれを持ち、われわれはそれを当たり前に使っているので、この有難さを理解しにくいが、世界には固有の文字を持たない言語は多い。あるいは固有の文字を持ち得なかったがゆえに消滅していったものもあるだろう。
文字を持つということは「学び」の原点。
この20コルナ札の逆面には17世紀モラビアの教育学者コメニウスが描かれている。