先日に続き、歌舞伎座でやっている「元禄忠臣蔵」昼の部の一幕である。
夜の部に関しては下記に書きました
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/iDiary/index.php?mode=show&date=20090303**
真山青果(まやませいか)作のこの忠臣蔵は全部で九篇(劇場の案内本には十編となっていたが九つしかみつからなかった…)の連作になるという事だが、その中で最も人気が高いのがこの「御浜御殿綱豊卿」になるのだそうだ。
写真のない元禄時代。
吉良上野介の顔を見知っておくことは相手を間違わない為に(替え玉に騙されないために)赤穂浪士にとって非常に重要。その機会を得た富森が、浜御殿(今の浜離宮)において次期将軍の綱豊卿に召し出だされ、仇討ちの真意をさぐられながら対決する会話が見せ所。
http://www.geisya.or.jp/~kmtake/naya/kabuki/genrokucyusin.htmlこの話には大石内蔵助は出て来ない。赤穂浪士の登場はひとり富森助右衛門だけ。忠臣蔵から着想を得たスプリットストーリーとして書かれたものである。
あまり期待せずに見始めたが、最初からぐぐっと惹きつけられて見入り、聞き入ってしまった。何より片岡仁左衛門の綱豊がかっこよろしい。歌舞伎はやはり役者で魅せるための劇なのである。
上演記録を見ると仁左衛門は孝夫の時代昭和55年からなんども綱豊卿を演じてきている。実に今回で九回目になるのである。
なるほど台詞もとうとうと流れていく筈だ。
自信ありげな姿・振舞い。ぴったり板についている。