ラオスは1975年の社会主義革命以降王はいない。
六百年以上続いたランサン王国はここで命脈を絶たれた。
しかし、ラオスは、かつての王国の歴史をそのまま否定はしなかったように見える。この写真の右側の(実質的に)最後の王の像はヴィエンチャンでもルアン・プラバンでも見かけた。
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ヴィエンチャン市内で見つけた仏領インドシナ三国共通紙幣の話は「世界の写真」⇒「ラオス」に載せた写真から読んでいただくとして、ここではもう一枚の紙幣を紹介しよう。
シーサーワンウォン王は第二次大戦以前からの王である。フランス支配時代の1904年に即位し、日本の支配時代を含めてずっとルアン・プラバンの王宮に在位していた。
この紙幣は1957年発行。
仏領インドシナは1954年ベトナムのディエンビェンフーの戦いによって終わる。これはその後、フランスの影響から独立しはじめたラオスが発行した、ラオス王国の紙幣になる。
シーサンワンウォン王は1959年に死去しているから、たった五年間だけ発行されていた紙幣ということか。
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銅像が右手に持っているのは仏教典である。
敬虔な仏教国ラオスの王らしい。