午前中ヴィエンチャン市内見学。
ラオスを代表する仏塔タート・ルアン、今はバンコクにあるエメラルド佛がかつて置かれていたホー・パケオ、十九世紀始めのすがたを留めるワット・シーサケオ、パトゥーサイ(凱旋門)、をめぐり昼食。午後はメコン川沿いに四十分ほど走った所にある通称「ブッダ・パーク」を訪問。この写真の場所である。
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ブッダ・パークは本当の名前をシェン・クワンと言う。日本のガイドブックには「ワット(寺院)」として載せられているが、実際のところここでは何の礼拝も行なわれなくなっている。
もともとはルアン・プーという一人の神秘主義僧がカリスマ的な力をもって自分の教団をはじめ、その中心的な場所だった。
仏教とヒンズー教、さらには一部イスラム的なものまで巻き込んだ自分の心象風景を具象化したような場所である。この写真の巨大な「涅槃像」と判定できるものもあるし、それぞれに「これは仏教の話からだな、これはヒンズーの神だな」と見える造型もあるが、全体としては混沌と奇想の庭園だといえるだろう。
ここがつくられたのは1958年からの事。放棄されたのは1975年の社会主義革命の後。造ったのも美術家ではなく一般の教団のメンバー。石を彫ったのではなくコンクリートで出来ている。
つまり、たいして古いものでも歴史的建造物でも(今のところ)ないのだ。
歴史的価値や美術的価値がそれほどあるような場所ではないのだけれど、とにかく面白い。私も下調べをしていて、とにかく見てみたくなった場所だった。
結局旅への衝動というのは野次馬根性の延長線上にあるのかもしれません(笑)。