アスワンハイダム見学に行くと、まさにダムの本体の堤防の上でバスを止めて写真撮影の時間を取る。しかし、そこから見えていて近くをバスで通るハイダムのモニュメントにはなかなか停車しない。
時間が忙しいツアーだとそれも仕方ないのかもしれないが、私はこのモニュメントこそが、ダムに来て是非見る価値があるものだと思っている。
そこに刻まれたいかにもソ連がかかわっているデザインはハイダム建設の歴史を視覚的に理解させてくれる。
建設当初はアメリカが資金を援助していたのだが、中東戦争でイスラエルとエジプトが険悪になってくると突然アメリカは手を引いてしまった。
困ったナセルがソ連に話をもっていき、完成時にはソ連とエジプトの協力の記念碑としてこのモニュメントが建てられている。この写真の様に、中に刻まれた国章も今は無きソビエトのもの。
この他の面にある労働者を賛美する巨大な彫刻はいかにも社会主義国のデザインである。