エジプト航空は昼過ぎに成田空港到着。
カイロ、イスラム地区の話を続けます。
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「あれ?この水のみ場の絵は見たことがある場所だ」
資料を渉猟していたら、バイナル・カスラインの19世紀頃を画いたものがあった(左半分)。これはまだオスマントルコ支配下時代かとおもわれる。
印象的な水場の建物が目抜き通りの三叉路にあったのをくっきり思い出す。写真もこうしてちゃんと撮影してあった(右半分)。
絵の中の時代とくらべると、両サイドの建物は完全に建て替えられてしまっているのが分かる。場所の面影を残しているものは、まさにこの水場だけである。
しかし、よく注意して見ると、その建物にしても、微妙に写真と違っているのに気付く。上階の窓の数、建物に使われている石の色、全体のバランス、などなどかなり相違点があるのが分かってくる。
これは、意図的に美しく描かれているのではないだろうか? つまり、この絵は写真のように現実を写し取るのが目的で描かれたものではなく、あくまで「美しく、エキゾチックに」見えるように、事実を修正して描かれている。現実がかつてこの様だったのかは、充分注意して考えなければならない。
または、全く別の場所を描いていたりする?
そういうことだってありえるだろう。