写真左下の人物との比較で、この紀元前の神殿がどれほど巨大なものかがお分かりいただけるだろう。
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昨夜ルクソールを出てナイルを上流へと向かっている。エスナの水門は夜中三時頃に通ったらしく、窓のすぐ外から水門の係員がなにやら叫んでいるのも聞こえてきていた。
朝六時、明けゆくナイルの空をデッキで見ているとだんだんとエドフの町が見えてくる。今日の午前中はこの港から馬車に乗ってホルス神殿を見学に行くのである。
エジプトのに神殿は数々あれど、屋根までちゃんと残されているものはそう多くない。※私が行ったもので屋根があったのは、このホルス神殿の他にはデンデラとカラブシャぐらいである。
もちろん発見された時にはこれらがすべて今見えるような形だったわけではない。考古学者がばらばらの破片を組み合わせて、足りないところは新しく補って、何十年もかけてやっとここまでになったものだ。
馬車に分乗してエドフの町を抜けていくと、突然この神殿がみえてくる。実に「あっ!」と目を見張る風景である。
この塔門を入ると第一の中庭。
次に第二の中庭。
このふたつそれぞれに美しい黒い石で出来たホルス神の美しい像が置かれている。
古代エジプトの神話によると、この地はオシリス神が復活しイシス女神との間にホルスが生まれてきたということになっている。壁画もこういったストーリーを見せてくれている。