ふと見ていた番組で「世界中の日本大使館に勤務する公邸料理人のうち25人がタイ人です」という話が聞こえてきた。
公邸料理人は大使が各国の人を招待する時などに料理を作るのが主な役割。大使が日本から選んでつれてくるもので、日本食と洋食の二人がいるのが通常ということだ。
2007年には外務省が「味の外交官」「食の大使」といった呼び方を正式なものにする検討もされたそうである。確かに日本大使館のゲストにおいしい日本食を提供するのはとても大きな外交であるといえるだろう。
外国の料理に日々触れていると、日本食の微妙繊細な味わいを心から賞賛する気持ちになる。日本人としての味覚になんとなく根拠ない自信さえ持ってくる。
「こんな繊細な味を外国人にも理解してほしいなぁ」と思う。逆に、「この味わいは外国人にはわからないだろうなぁ」というキモチにもなる。
しかし、実際には日本人だけがそんなに突出してすばらしい味覚をもっているわけではない。日本料理という文化にしても、外国人の料理人が学んで一流になれないものでもないようだ。
見ていた番組の中では、実際公邸料理人になるべく学んでいるタイ人の研修生を教育している教官が、「タイ人の味覚は日本人と比べて全く遜色ない」と言い切っていた。
外務省のHPの中でこんなものも見つけた。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/h20/7/1181561_912.html昨年11月には貢献度の高かった公邸料理人21人に外務省から表彰状が贈られいる。その中で、ウルグアイ大使館に2005年から二年間勤務していた外国人の名前があった。
アネック・ジャルワンノさん=タイ人のシェフが、ただひとり外国人として受賞。もちろん、これは日本食の料理人としてである。
※ちなみに二十一人中女性のシェフもたった一人しかいなかった。