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あえて、反「風のガーデン」
2008-12-25
緒方拳がその撮影がすべて終わって5日後に癌で死去したということで、否応なく話題になったこのドラマ。日本に居ない事も多い私が、ビデオにとって最初から最後までしっかり見た。


主人公47歳の男性麻酔科医。
癌を宣告され、その最後の日々をどのように生きていき、どのような死を望んでいくかという主題。

自分と同年齢の主人公、さらに倉本聰という男性の視点からの筋書き。ええ、泣きましたとも(笑)
事情があって長くばらばらだった家族のと共に、自分の生まれ育った家で迎える最期。

新聞などでもこの死を「理想の死」という書き方で賞賛する記事をいくつもみかけた。その書き手のほとんどが年配の男性だったという事実は、まさにこの世代のツボを抑えていた証拠だろう。


しかし、私はここであえてこの予定調和的な終わりに異論を唱えたい。

わざわざドラマに仕立てて、セケンに「死のかたち」を問うてゆくドラマとしてはあまりに分かりきった終わりなのではないだろうか? 「死ぬ時はやはり家族に見守られて・・・」という、いまさら誰もが反対などしない予定調和的結末。

いまは「おひとりさま」の時代になってきている。
実質的に血縁のある家族を持たずに生きている人も少なくはない。そして、それが血縁ある家族と生きている人より不幸なわけではけっしてない。

現代社会にはいろいろな生き方が可能であるのと同じように、いろいろなカタチの死があり、それが「家族に囲まれた死」より幸せなケースもある筈である。

あえてドラマにするのならば、そんな話を見てみたかった。
※泣かされておいて、我ながらよく言いますが(笑)

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