本来なら今日昼すぎにはバンコク行きのタイ航空に乗っている筈であった。
今日の帰国便搭乗が無理であることは、きのうすでに皆様にはお伝えしてあった。午前中ゆっくり朝食を食べてから、徒歩で旧市街散策へ出発。小松は同行しない。午前中は中国南方航空の事務所へいかなくてはならないから。
※ホテルを市街地に指定しておいた事が、こういう時にも大変役に立った。郊外の豪華ホテルにあまり興味のない小松であります。
午後は皆さんと合流し、タメル地区で昼食。
その後ぶらぶら歩いている時に携帯が鳴った。
「**?***please come**??」
電波が悪くて聞き取りにくいのだが、どうやら午前中一緒に中国航空事務所へ行った現地手配会社のラズ君からのようだ。
午前中10時過ぎに、きのうタイ航空に発行してもらった振替用書類と皆さんのパスポートを持って行ったのだが、その時には中国人のマネージャーが不在で決済できなかった。
午後にはラズ君だけが行く事で良い筈だったのだが、どうやら事情が変ったらしい。私に来いということか。
急いで皆さんと離れて歩き出す。
ラズ君と落ち合う予定のホテルを目指していたら、突然横にバイクが止まった。見るとラズ君が乗っている。
「うしろに乗って」と合図されてバイクの後ろのまたがる。
125ccのバイクは渋滞する車を抜かしてカトマンズの町を走り抜ける。五分ほどでさっと中国南方航空事務所に着いた。
※この写真のカウンターです。
午前に応対してくれた係員がラズ君に話し出す。
現地の言葉でやりとりして、私のほうは全く無視状態だ。
話が区切れたところで、この係員に英語で状況がどうなっているのか説明を求めると、はじめてこちらを見て「Ah,you can speak English・・」と話はじめた。
・・・なるほど、今までここへ来た日本人がほとんど英語でやり取り出来ていなかったのだ、と感じられる。
彼はそれまでの『どうせ英語わかんない日本人だろ』という態度を一変させた。
今、我々の席はコンピューター上では押さえられているけれど、正式な書面にしないと広州で乗り継げなくなる可能性がある事。これからマネージャーと共にパスポートを確認しながら書面を作ると説明してくれた。
彼らは書面作成しながら、カトマンズと日本を結ぶ乗り継ぎ場所として広州がいかに便利かをしきりに話だす。
確かに地図を見てもバンコクで乗り継ぐよりも広州の方が近いのである。
「来年にはカトマンズ行きへの乗り継ぎ時間がもっと短く出来る予定だから、次は是非我々のCZ(中国南方航空)を使ってくださいな」と、時刻表を見せながら熱心に説明する。
書類が出来るまでの時間たっぷりそんな話をきかされて、私も「そうかぁ、それじゃあ次は広州経由を考えてみるか」という気になってきた。彼らの営業戦略がひとまず成功したということになる。
三十分ほどで作業がおわり、CZ航空のマネージャーは、別れ際に「じゃあ、明日空港であいましょう」と言った。
今度こそ明日の帰国ルートが確定したということなのだろう。
いやいや、分からない、まだわからない。
広州からの便にしっかりのれるまでは、分からない。