クロアチア、ザダルの市街地図を見ていて「Sea Organ」という記述があるのに気づいた。
「夕方五時ぐらいに行ってみるといいよ」
ザダルの町の英語ガイドさんに訊ねるとそんなふうにアドバイスしてくれた。
遅めの昼食を終わってホテルに入り、夕方再び歩いて旧市街に入る。晩秋の太陽は17時頃にはもうだいぶ傾いてくる。
ザダルは海に突き出した半島になっているので、昔城壁だった外側を歩くと必然海際を歩く事になる。夕暮れの海辺を半島の端のほうへぶらぶら歩いていくと、だんだんと不思議な音色が聞こえてきた。
それは海が生き物である事を証明するかのように、息を吐き出すように、歌う。波が押し出す空気がパイプを通って音階を出すようになっている。ハーモニーが自然なドミソだけでなく、少しテンション(緊張感)の入った感じがよい。
干満の差があるのでいつでも音を出し続けているわけではない。だから「夕方5時ごろがいいよ」とガイドさんが言っていたわけだ。
このアート作品は、ダルマチア伝統の石工技術を受け継ぐニコラ・バシッチというアーチストにより、2005年に造られている。
音声は下記のページから
http://www.oddmusic.com/gallery/om24550.html