前回《手造》ボスニア、クロアチアの話を再び。
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ボスニアの通貨は、紛争後の1998年にそれまでのユーゴ通貨ディナールをやめてマルカが導入された。
当時平和維持に努めていたドイツの通貨マルクと等価で交換できる事を意味する「コンベンビルティナ=兌換の意」がはじめにつき、「コンベンビルティナ・マルカ」を正式名称とする。
自国の経済力や政治的安定に自信が持てない国では、しばしばこういった他国通貨に依存したかたちで経済を運営することがある。
戦争で国土が荒廃したボスニア・ヘルツェゴビナには最良のやりかただっただろう。
そういう知識は仕入れてから行ったが、実際に手にしてみた2マルカを見てびっくり。どこかで似たようなコイン見てませんか?
※写真左上が2マルカ。下の段は補助通貨ペニーガ(ペニヒ)。
そう、ユーロコインにそっくりなのです。
実際2マルカがほぼ1ユーロと等価になるので、このコインはユーロをイメージしているのかもしれない。
マルカという通貨自体は、ユーロの実態通貨が流通し始めるより以前からあった。
だから、この2マルカはその前からあった??
いや、きっと2マルカはユーロの実際通貨が流通し始めてから造られたものではないだろうか。1マルカ以下のコインは明らかにデザインが違う。
ユーロを導入した国のすぐ外では、こんなユーロ似の硬貨がけっこうみられる。新・トルコリラにもこんなのがあったっけ。
これらは、将来ユーロに入りたいという希望を視覚化しているように見える。