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ナポレオン、兵士への別れの言葉
2008-11-14
パリ出発はJAL406便18:05発。
午前中は郊外のフォンテーヌブロー城へ。
ここは数々の王たち、そしてナポレオンにも愛された城である。

1814年4月、退位書に署名したナポレオンはこの階段に姿を現した。
最も困難な時を迎えても彼のそばに従ってきた古参の兵士達に向けて別れの言葉を述べた。それは、フランス史に残る名演説といわれているものである。

**
私の古参近衛兵たちよ、
私は諸君に別れを告げる。

二十年このかた、諸君らは私と共に、常に名誉と栄光の道を歩んでいた。そしてここ最近の困難にあっても、我々の隆盛の時でと同じように、諸君らは勇気と忠誠の規範であることを止めはしなかった。

諸君らの様な兵がいたからこそ、我々の大儀は失われなかったのだ。

しかし、戦争には果てしがなかった。ともすれば内戦になっていただろう。そしてフランスはさらに不幸になるほかなかっただろう。さればこそ私は、我々の利益のすべてを祖国の利益の為に犠牲にしたのである。

私は出発する。
私の友よ、諸君らはフランスの為に引き続き尽くしてほしい。
フランスの幸福こそ私の唯一の想いであった。
それこそが常にかわらぬ私の願いである。

私の運命を嘆いてはならない。
私が生き永らえるのを選んだのも、なお、諸君らの栄光に役立てんがためなのだ。私は我々が共になした偉大な事どもを書き残しておきたい。

さらば、私の子らよ。
諸君らすべてをこの胸に抱きしめたい。
せめて諸君らの軍旗に口づけさせてほしい。

さらば!
もう一度、わが古い戦友たちよ。
この最後の口づけが諸君らの胸に伝わらん事を。



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