今年5月10日の日記にも書いたバー再訪。
http://komatsusin.hopto.org/koma/modules/iDiary/index.php?mode=show&date=20080510同じ場所に何度も足を運ぶ事で分かる事はある。
「いつごろのものですか?」と質問されて、じっくり眺め回していて署名と年号があるのに気づいた。
1887年
JOOST THOOFT
この名前には覚えがある。
デルフト工房の壁にかかっていた1900年パリ万博での賞状にあった。オランダ館の代表的なものとしてデルフト焼が出品されていたことがわかる。
そこで賞をもらったヨーストさんはきっとすでに名人として名声が確立されていただろう。このバーの作品が製作されたのは1887年。こういった作品群が名声の源だったのではないだろうか。
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デルフト焼きの評価は歴史と共に変遷している。
中国磁器を真似て登場した17世紀は大好評でデルフトには30を数える工房があった。
しかし、磁器がヨーロッパでも生産されるようになり、中国や日本の磁器もより安く入手できるようになると、むしろ地味なデルフト焼は衰退していく。
ヨーストさんはデルフト焼を再び評価されるに足る作品として復活させた「モダン・デルフト」の祖だったのである。