カプリからジェットホイルでソレントへ行き町を回る。その後14時半にはアマルフィのホテルへチェックイン。
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はじめてアマルフィ紙博物館に行くことができた。
山から流れてくる豊富できれいな水が育てた中世からの産業である。
以下、ガイドツアーにて説明してもらった話。
パルプを原料にした紙は紀元後一世紀に中国で作られたが、長く中世ヨーロッパには製法が知られていなかった。アマルフィの商人たちはその方法を知り、造り、アマルフィの輸出品にしていった。
初期のアマルフィ紙はパルプではなく、なんと古着を原料にして作られていた。ずたずたに切り裂いた綿の生地をどろどろに水に溶かし、それを手漉き和紙の要領で枠に汲み取る。それを何枚も重ねてプレスし薄くしていく。
やがてヨーロッパでもパルプの紙の時代がきて、アマルフィでも古着原料の紙はつくられなくなり、「シュガー・ペイパー」と呼ばれる包装紙を主な生産品にするようになっていった。
機械化の時代はどんどんすすみ、小さなアマルフィの町の紙工場は経営困難となる。小さな機械で作ることのできる紙は一時間に2メートル、大規模な工場では2000メートルも作る事ができるのである。
1969年、商業的な紙製作に見切りをつけた工場主は、アマルフィ紙の原点にもどり、古着からの繊維で作った手漉き紙の生産をはじめた。観光用というだけでなく、こういった紙は水彩やデッサンに良い味を出すのである。
手造りの原点にもどったアマルフィの紙造り。
同じく手漉き和紙の伝統を持つ我々日本人にはとても親近感がある。