怖ろしいうわさのある皇帝ティベリウスが待つヴィラが丘の上に見えてきた・・・古代にこのヴィラに招かれた人はそんな風に思っただろう。
二千年前のヴィラは思った以上にその威容を丘の上にとどめていた。
※写真左上の方に見える茶色の建物がその遺跡
カプリを訪れる日本人のほとんどは「青の洞窟」を目指すが、ここヴィラ・ィオヴィスはそれとはちょうど逆側の高台にある。
カプリの町から普通の車では入ることが出来ない細い道を一時間ほど登っていかなければならない場所で、気軽な観光客というよりは古代ローマに興味のある人が訪れる。
島に十二あったという皇帝のヴィラの中でもこの場所をお気に入りにしていたティベリウスの孤独・疑心暗鬼。実際に訪れてみると納得がいく。
このヴィラの逆側は断崖絶壁になっていて、ティベリウスは自分のそばに仕える兵士に対して、最後の面接試験を行なったそうだ。
断崖に立たせた兵士に皇帝自らが質問をする。何を質問するかはその時の皇帝しだい。これに当意即妙に答える事ができれば合格。
出来なければ・・・崖の下に突き落とされた。
後世ティベリウスに悪意を持つ人々のつくった伝説ではある。