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VHS解体→ベルリン美術館の救出
2008-09-08
さて、これは何でしょう?
そうです、VHSテープの内部なのです。

毎日どんどんVHSテープをDVDに変換している。
と、VHSを巻き戻している時に突然シュルシュルシュルと異質な音がした。

「あ!やばいテープが喰われた」
急いで機械を止め、慎重にテープを引っ張り出す。やっぱりだいぶ喰われていたが、なんとか切らずに救出した。もう一度再生しようとすると、あれ?テープの端がカセットから出てしまっている。カセット自体が壊れたのだ。

中に入っていたのは90年代初期に録画した「ベルリン美術館」の東西統合への話全三回・三時間分である。

ヒトラーがいかに美術品をも差別し、ソ連が占領時にそれらを強奪していったのか。(※シュリーマンが発掘したトロイの黄金もいまだロシアは返還していない)ベルリンのコレクションは何十もの美術館にばらばらになってしまって半世紀も本来の姿を失っている事実。ベルリンの壁が崩れ、東西ドイツが統合した事によってそれらが再び再生しようとしている。そういう時代のドキュメンタリー番組だ。

むむむ、捨ててしまうには惜しい。これを見てからベルリン美術館島を訪れれば、何も知らないで訪れる何倍も価値を得られるに違いない。

なんとかしなくては、と思いねじ回しを取り出し、今まで開けたこともなかったVHSの弁当箱型カセットを開ける。単純な構造に見えたが、開いた時の衝撃ではずれたひとつのパーツがどこに納まっていたのかわからなくなっていた。悩む。どうしよう?

ここで「まぁ、いいや」とゴミ箱に捨てて忘れてしまっても誰も私を責めはしない。しかし、そうすることによって、次にベルリンに行く時に失うものがきっとある、確かにある。

悩んだ結果、もうひとつVHSの壊れていないカセットをそおっと開いてテープを移植する事にした。

成功!「ベルリン美術館」の古いドキュメンタリーは無事にDVD化できました。私の頭にももう一度整理して収める事ができました。

VHSの小さなパーツひとつが、まわりまわって誰かの旅を価値を替えてしまう事だってあるのだ。



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