ロンドンに行ったときに課題として残していたトマス・モアの像をしらべてみる。「これなんだろう?」と思いつつ時間切れで次々に旅に出てしまうので出来なかった課題が、実は山積している。
「世界の写真」に載せたようにトマス・モアはこのリンカーンズ・インの法律学校と深い関係があったことがわかった。
父ジョンもまたこの法律学校で学び、息子トマスもここの学校へ行った。後に大法官までなったトマスは生涯にわたってこの建物に出入りしていたのだった。
カソリックから離脱して英国国教会の設立を断行したヘンリー八世に最後まで反対し、ロンドン塔で斬首されたトマス・モア。
ロンドン塔の冷たい石の部屋に一年以上も幽閉したヘンリー八世だったが、彼の才を惜しんみ処刑当日にもトマスの娘マーガレットを説得に向かわせた。
とにかく国王の意志を尊重して宗旨変更すれば命は助かるのだ。涙を流して説得しようとする娘に父は「ここで私が気持ちをかえたら、神はどう思われるだろうね…」と答え、意志を全うした。
カソリック世界で彼の死ははMARTYR=「殉教」と認定され、この表記でも「1535年7月6日殉教したと」表記されている。罪人に下された「処刑」ではないのだ。
続いて「神と国王の両方に忠実なしもべであった」と表記。
処刑場での彼の最後の言葉は、「国王の忠実なしもべ、そして何よりも神のしもべとして」というものである。
ロンドンにはトマス・モアゆかりの土地がたくさんあるようだ。いつかまわってみる機会があるとよいのだが…これも課題で終わってしまうかもしれない(笑)。