これもモンゴルで入手したもの。
1869年スイス連邦のカントン(州)ツークのものだというのはすぐにわかったが、「5フラン」という表記はあるもののどうも普通の通貨には見えなかった。
ドイツ語辞書で調べてみると〔EIDGENOSSISCHES〕=スイス連邦の、〔SCHUTZENFEST〕=射的競技会との表記。記念メダルであるようだ。
さらにいろいろサイトを見てみたら、なんと日本語でのサイト発見。このスイス射的競技会の記念メダルを集めている日本人の方があろうとは。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~artofcoin/swi-medal/list-3.html**
ところで何故モンゴルでこんなヨーロッパの古いコインがたくさん売られているのか、不思議である。
かつてモンゴルでコインを発行する事ができなかった時代に、外国からの銀貨が代替としてたくさん流通していた、と教えてくれる人があった。
確かにあるのは同じ大きさの銀貨ばかりだ。それがもともとがどの国のものだろうとどんな価値があろうと、そんな事にはなんの関心も示されなかったのだろう。銀貨が銀の価値として流通していたのだろうか。
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経済力のない国が強国の通貨をそのまま自国の通貨として使うというのは、現代でも起こる事である。南米エクアドルは1999年のクーデータの後自国通貨を放棄し、アメリカドルを自国通貨にしてしまってた。
自国で発行する通貨を持たないというのは、国家としての経済政策を半分放棄したようなものだ。