モンゴルの寺で古い銀貨をお土産に売っているのを見かけた。
コインは興味があるので一応ひととおり目をとおしてみたら、これがけっこう古いものである。
「お宝発見?(笑)」。
1894年のグアテマラ。1835年のボリビア。1869年のスイス、ツーク州。開国五百二年と書かれたハングル文字入り。1912年のone dollarと書かれたコインは裏返すと「壱 圓」と漢字があり、おまけにアラビア文字も書かれている不思議なもの。
どこのものだかわからないこういったものも含めてかなり興味深い。
値段を訊いてみるとどれでも三つで一万トゥグルク=約¥1000。ならば「買い」ですな。6個購入、帰国後調べ始めている。
この写真の上のものは1952年の南アフリカ記念コイン。南アフリカは1652年にオランダ東インド会社の船がやってきて本格的に入植がはじまった。この時のオランダ船が描かれた、いわば入植三百周年コインである。
●写真下は1741年の年号とスペイン国章にある二本の柱が描かれたもの。これが最も古くもっとも興味をひく。
※「二本の柱」とは、ジブラルタル海峡の入り口にヘラクレスが置いたといわれる巨大な岩塊ふたつを指す。ジブラルタルの岩塊と、アフリカ側セウタの岩塊である。
裏面には<HISPAN ET IND REX PHILIP V>=「スペインとインドの王フェリペ五世」の文字とスペイン国章。インドというのは当時の新世界アメリカを指している。この二つの世界の王という意味で、二つの地球の形の上に一つの王冠が描かれているこのデザインとなる。
そこまでは、売られているのを見てわかった事だが、実際いったいどのような由来のもので、どのくらい価値があるものなのか?
帰国後しらべてみると、これはスペインのものではなくメキシコの造幣局で1732年から1771年まで造られていた通称「ピラー(柱)コイン」と呼ばれる銀貨である事がわかった。
当時スペイン領だった中南米において鋳造された銀貨のなかでも最も流通し、1857年まではアメリカ領内でも公式に認められた通貨として使われていたそうだ。
[M]の上に小さな[o]が刻まれたマークある事がこの写真でもわかるだろう。この印によってこのコインがメキシコシティの造幣局で鋳造されたものだと判別できる。
※これらの情報は下記サイトからのものです。興味ある方はご覧ください。
http://www.newworldtreasures.com/milledpillar.htmこのピラー・コイン鋳造年や鋳造場所によるのでしょうが、九百ドル近い値段がついているものもあるのですね。さて1741年のメキシコシティ鋳造のものはおいくらなんでしょ?(笑)