いったいどの道を選べばスムーズに走れるのか?
ドライバーの腕一本にかかっている。
道路の補修が頻繁に行われるモンゴルでは、決まった迂回路は示されない。各自思い思いに草原を走る事になるのでこんな風景が出現するのだ。
観光車両といえどもこんな草原の道を走ることを余儀なくされる国に大型バスは全く不適切。出来れば4WDで行きたい。
16年前の記憶でも道が悪かった。
今もってこの状態というのは、モンゴルもうちょっとがんばらないといけません。人の交流も物の流れも、スムーズに走れる道がなければ発展しない。
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ローマ帝国が支配地域に縦横に舗装道路をはりめぐらした意味がよくわかる。国の発展の為には不可欠なインフラである。それらはローマが滅びてからも長く人々に利用され、現代でも「ロマンチック街道」という名前になったりしている。
モンゴル帝国が繁栄した時代はそれより千年もあとの事。ユーラシア大陸をむすぶカラコルムハイウェーというのはいったいどのようなものだったのだろうか。ローマにくらべるとモンゴルの歴史はまだまだ研究されていない。
社会主義時代を終え、これからの研究結果を楽しみにしている。
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また、道を整備する最も重要な意味は、有事の際に軍をいち早く急行させるという事である。
かつてインドと中国の国境近くへ行ったときにも、町の開発がさほどでもないのに、道だけは充分なものが造られていた。それは治安維持の為にいちばん最初に必要なものなのだ。
モンゴルの幹線道路がまだ充分に整備されていないのは、それだけ平穏な国境だということなのだろうか? ロシアと中国にはさまれたこの国がそんなに平穏であるとは思えないのだけれど。