朝、スイス航空で成田到着。
12日間のツアー、長時間のフライトの後でくたくたではあったが、そのまま汐留でやっている「アール・ブリュット/交錯する魂」へ行く事にした。なんせ、開会期間が明日までだったので、がんばるしかなかったのだ。
きのう、ローザンヌの元祖アール・ブリュットへ行ったところだったので、かの地のものと日本でのものとで発散されている空気が違うのが感じられた。
ローザンヌで見られる多くのものは、そこに孤独や悲しみあるいは恐怖に似た感情が、それとは意識されずに封じ込められている。
すべての生きている人が持っていて、しかし、日常生活においては真正面から見ることを避けている感情。これを突きつけられて唖然とする。
日本でとりあげられている「作家」達の作品にもそういう要素はある。しかし、孤独や恐怖だけでなく表現する事のできる幸福感も同時に感じられる。それは外国と日本の違いというよりは、彼らが生きている時代の違いのようにみえる。
半世紀前ならば精神病院の一室に閉じ込められただろう人々。彼らには自分の作るものが社会に発信されるチャンスなどなかった。それが今は「アート」として取り上げられ、すでに「市場」まで形成されていこうとしている。
造り出す彼らの作品に孤独や恐怖と共に幸福感が感じられてもあたりまえなのかもしれない。