ロンドンで乗継ぎ、21時にスコットランド最大の町グラスゴーに到着。かつて市の反映を支えた川の近くのホテルに入った。この写真はその部屋からの眺めである。
蒸気機関車が走っていた時代の、巨大な橋げたが残されている。
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グラスゴーという町へ行く日本の観光ツアーはとても少ない。日本人がこの町の名前を聞いて何をイメージするだろうか。
私の場合それはアール・デコのデザイナー、マッキントッシュの町であるということであった。東京のアール・デコの邸宅として有名な朝香邸=庭園美術館の事を学ぶ講座に参加したことがあり、その時にきいたチャールズ・マッキントッシュの話だけが、私のグラスゴーのイメージとして残っていたものだった。
そして、その時は「グラスゴーなんて一生行く事はないだろうな」と思っていた。
明日、グラスゴーの半日観光。日程表に書かれた大聖堂とジョージ・スクエアを行っても充分に時間は余る。せっかくなら少しでもマッキントッシュのデザインを見る機会を得たいものである。空港からホテルへのバスで少しそんな話をしたら、嬉しいことに反応して下さる方があった。
なんでも無駄になる経験というのはないものだ。
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グラスゴーは19世紀には造船の町として栄えていた。幕末の日本からも造船技術を学びに留学生がやってきていた程である。新大陸に移民していった多くのスコットランド人との強い絆の上に反映の時代を謳歌していただろうグラスゴーの町。かつては六十もの造船所があったという。
そのうち現在残るのはたった二つだけとなってしまっているのだが。