黒海沿岸サムスンの町から内陸へ三時間。
イリス川に沿ったアマシアの町を見下ろす岩窟墳墓が見えてきた。
その巨大さ!(小さくみえる人物の大きさと比べてみてください)。有無を言わさぬ造型の何たる迫力!
ポントス王国はアレキサンダー大王の時代のすぐ後。ローマ人のやってくる遥か前にすでにこの岩窟墳墓が造られていたことにまた驚く。
紀元前一世紀にこの町で生まれたストラボンもまたこの墳墓を見上げて育ったという事だ。
ここを訪れる旅を企画しようと思ったのは、某機内誌でこの墳墓の写真を見た事がきっかけだった。写真に添えられていたけして充分とはいえない英語解説を辞書を引きながら読み、いつか自分の旅を企画したら案内したいと思っていた。私の目を釘付けにしたその写真が今ここへ導いてくれたと言えるだろう。
トルコには日本の通り一遍のパッケージツアーでは触れられていない魅力的な場所がまだまだたくさんある。