ベルギー「GENT」の町は、現地フラマン語では「ヘント」と発音する。「G」がハヒフヘホになるので。
同じ町の事を、ベルギー南部で使われているフランス語では「GAND」と書いて「ガぁん」という感じで呼んでいる。
ベルギーは二つの言葉を使う国なので、同じ町でも二つぜんぜん違う名前を持っていることは珍しくない。アントワープはフランス語では「ANVERS」=アンヴェール。ブリュッセルはBRUXELLESであり同時にBRUSSELでもある。
こういう場合、日本語のガイドブックにどちらの名前で載せるか、考えどころだ(地名だけでなく、人名についても同じ問題が発生する)。
違和感を覚えるのは「ゲント」という呼び方。
現地の呼び方でも、フランス語の呼び方でもない。
いったい誰がこの呼び方をするのだろう?
それは多分イギリス語をしゃべる人々。日本に最初にこの町が紹介されたのが英語経由だったためだろう。
日本はその土地での呼び方で呼ぶ傾向があるので、ここは本当なら「ヘント」なのだけれど。いったん定着してしまった言葉をひっくり返すというのはかなりむずかしい。