ブリュッセルにも地下鉄が走っている。
車両の扉は日本のように自動で開閉するのではなく、人の手で開けなくてはならない(閉まるのは自動)。
この方式はパリなどでもあるスタイルでめずらしくはないが、扉の取っ手の部分のこのガッシリさ加減はぜんぜん違う。大きくて太くて、持つ方は楽。パリよりも余程力が入りやすい形状をしている。
こういう都市デザインの細部というのは、実際に目にして見なければ知る事が出来ない。自分の眼で見てこそ楽しめるものというのは、なにも美術館だけではないのだ。
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以前「ゴルゴ13」を描いている方が、こんな事をいっていた。
「外国を描いていて一番困るのが、機械の形ですね。たとえば電話をかけるシーンを描くとき、その町の電話機がどんな形をしているのか、調べてもなかなか分からない。」
携帯電話もネットも普及していなかった時代に、外国を舞台に描く難しさは、こういう細部にあったのか。