故あって、丸ビルホールで行われた表題のシンポジウムを見てきた。
大量エネルギー消費社会となって現代、自らの消費するエネルギー獲得を、外界を消耗させるカタチではなく実現するか、というお題であると理解した。
基調講演の後、各種エネルギーを研究する方々が、それぞれの立場から話をされた。
ぞれぞれがなかなかおもしろいものだったが、今日はバイオ燃料の実践についての話をされた部分だけを紹介する。
●「わが国における地産地消型バイオ燃料」
迫田 章義(東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 教授)
学者的なつまらなそうな題名。
しかし、話が実践的な部分になるとがぜん面白くなる。
牛の肥料から発生させたメタンガスを使った軽トラック。実際に走らせているという千葉の農場施設にはアジア地域からの視察も来ており、ベトナムでは実用化されているところもあるそうだ。
現地完結型のエネルギー供給が最も重要な目的であり、バイオ技術はそれを実現するひとつの手段であるという明確な意識。
フィールド・ワークから得られる信念は机の上で構築される論理よりもずっと強い。
「少なくとも、沖合いにタンカーを待たせておいてプラントでつくらせた燃料を持っていくようなやり方は、間違いです」
という言葉が印象に残った。
日本のみならず、多くの先進国が今までやってきたエネルギー確保術はまさにタンカー輸送である。
現在、そこから脱却していくための歴史的転換点にいるのかもしれない。その為にいろいろな技術が開発されているのだ。
日本ならば、現在埼玉県ほどの面積になってきている休耕田を復活させて、イネを栽培するという提案をされていた。
日本人の食生活の転換も含めて、日本はもっと米を作るべき時代になっていると、私も思っている。