表参道駅B4出口を出た交差点にある「ギャラリー360°」にて、山田愛子先生の展示を訪ねた。15年以上前に美大のヨーロッパツアーでエジプトも含め三週間以上の旅をしたのだが、その時学生を随行してくださったのが山田先生だった。
旅の最中に出会うさまざまな小物を上手に組み合わせて「作品」を作られているのを見て、美術というのは結局日常に奉仕する為に存在しているのだと気付かせてもらった。
いろんな美術館の入場券やホテルのカード、領収書、レストランのナプキン、なんであってもそのものの面白さを引き出すように使ってあげられれば、「作品」になって新たな命を得る。
もともと絶対的な価値をもった物などなにもないのだ。
今回も小さなスペースに日常のこまこましたものを束ねた作品が集っている。どちらかというとすぐに消えてしまいそうな品々である。それでも大切にしたい「人生の楽しみ」というようなものを具象化しているように見える。
写真はそんなはかないものを樹脂の中に封じ込んである。