昨夜19時にトロムソを出航した北行きの沿岸急行船は、今朝ハマーフェストの港についていた。ここは北海油田とならぶ天然ガスの採掘が行われている場所。
蒼く凍りついた白い山を背景に、北極圏の冷たい空気を焼いて炎を吹き上げる煙突がなんとも美しい。
オーロラよりもこういう風景こそが、冬にこのあたりを旅する醍醐味だと思う。「別にオーロラみられなくても満足」と思うのは、来る度に一応はオーロラを見られているからなのか?(笑)。
船は11:45にホニングスヴァーグの港へ入港。
スーツケースをもって下船するとバスがまっていた。
これから他2台のバスと共にノールカップへむかうのである。幸い今日は風もなく、穏やかなよい天気だ。陽射しがないことはあたりまえ。なんせ、このあたりは1月末まで太陽が地平線から顔を出さない場所なのだから。
約30キロ離れたノールカップは数年前と変わらぬ美しさであった。
このあたりの事は下記を参照。
http://www.nta.co.jp/ryoko/tourcon/2004/040302_1/★★★
ノールカップからアルタへ向かう道でオーロラが出現。
これまでずっと雪か曇りでとてもオーロラなど期待できない天気が続いていたが、バスの外の真っ暗な空に目を凝らすと記憶どおりの光りがもやもやと出ているのがわかった。
「ああ、出てますね。ちょっと止めましょ。」
バスのヘッドライトを落とし、雪の道を少し外れて歩くと世界はほんとうに真っ暗である。月も出ていない空には恐ろしいぐらいの星が輝いている。
そして、あ!
ぼんやりと見えていたオーロラがだんだんこちらへ伸びてきて、
ついに皆様期待どおりのオーロラに姿を変え始めた。
それは北の地平線ちかくからどんどん縦に伸び、緑色がかった神秘的なカーテンが、いまや真上で揺れ始めていた。