「升席にはお土産がつく」と聞いてはいたが、これほど大量に持たされることになるとはびっくり仰天。
この写真はお弁当も含めたものである。
右上のオードブル6点セットからはじまり、幕の内弁当、焼鳥(これは弁当の時に出てお土産にも再びついていた)、相撲あんみつ(箱の中に二つはいっている)、力豆(皮からだしてある枝豆)、紅白饅頭(力豆の右の箱に入っている)、おつまみセット真空パック、サンドイッチ、箱入りお煎餅セット、甘栗、湯のみセット。
おっと、甘くておいしかった箱入りみかんもついていた。
これがほんとうに席料に含まれている?
桝席の多くは4人席で\45,200(国技館窓口の売値)。
ひとりあたり\11,300の計算となる。この料金ではとてもこれだけのお土産をつけられる筈がない。
不思議に思ってしらべてみると、これらはちゃんと別料金になっているという事が分かった。最低金額三千円のものから一万円を越す横綱セットなるものまで何種類かあるようだ。これは横綱セットの少しアレンジしたバージョンのようである。実はこれらのお土産は、本日のスポンサーさんがつけてくださっていたという事に気がついた。
しかし、果たしてこれらのお土産をどれだけ食べられるのか?
サンドイッチは本日中の日付になっている。焼鳥とつくねは冬場なら持つかもしれないが夏は一日もたないだろう。
『ずいぶん無駄なお土産だなぁ、なくもいいじゃない』
と思わなくもないが、桝席を利用しているお客さんの多くが何がしかのお土産セットをもって帰っている。何故なんだろう?
これはこれで「大相撲の周辺」に生きる人たちを支えていく知恵なのかもしれない。
国技館で働いている人たちの多くは、一度は力士を志していたと思われる。ラジオの貸し出しをしていた二人はみるからに相撲とりという巨漢で、大きな手で小さな鉛筆を持ち、貸し出しの書類を書いてくれた。
案内の人も、御茶屋のひとも、なにがしかのかたちで角界を支えている。これらの人に仕事を与えていく為には、こういった「しきたり」というのも必要なのかもしれない。