縁あって国技館へ相撲見物。
4時からの幕内力士をみようというので、3時半ごろの両国駅は混雑している。
今回は枡席。こういった席はどこも「お茶屋さん」が仕切っているという事で、入場するとまずそこへ行って案内を請う。
いきなり弁当の入った大きな紙の手提げをわたされ、席へ案内してくれる。この「お茶屋さん」というのが、たくさん並んでいたのだが、どの人も制服のように時代がかった着物姿であった。雰囲気あります。
西の3番入口から入ると、テレビでおなじみの空間がひろがる。土俵を真ん中にして一階の升席と二階の椅子席。巨大な空間だが、よくできていて、一番遠い席でも土俵が見易いように工夫されていた。さすが相撲専用の「国技」館である。
案内された枡は土俵から15メートルほど。かなり力士が近くにみえる。テレビに映らないかと心配したが、どうやら力士入場口とは逆であった。
4時になり、まずは東方の力士が入場してくる。土俵を円形に囲んで化粧回しをもちあげ拍手を打つおなじみのスタイル。力士の化粧回しはカラフルで面白い。力士を支援する「谷町」の現在が分かる。ロシア出身の力士はアエロフロートロシア航空がスポンサーであった。
西方の入場は東の真向かいからではない。
90度の方角からの入場である。これは東西が敵対しているわけでなく、あくまで正面の神様への奉納がルーツにある表れように見えた。正面の二階席は天皇陛下がご臨席になる場所であり、横綱の土俵入りもそちらへ向かって行われる。
幕内の勝負が始まっても場内が静かになるわけではない。
お茶盆が運ばれてきて、暖かいお茶と共にさっきもらったまさに「幕の内弁当」を開ける。卵焼きにはしっかり「国技館」と焼印が入っている(笑)。
今日は高見盛が最初に登場。やんやの声援。
しかし、すぐにはじまるのではなく、塩を撒いたり見合ったり、それまでのセレモニーに時間がかかる。
そのあいだにゆっくり弁当を食べる時間がある。ヤキトリ、枝豆、オードブル詰め合わせなどなどぎっしりの弁当。こういう「目を離しても問題ない時間」があるから食べていられるのでしょうなぁ。相撲の時間の流れ方には緩急があって楽しい。
ひとつひとつ箱に入ったデザートのポンカンを食べているうちに高見盛りは無事に勝ち名乗りを受けた。
今日の取り組みで注目されていたのは朝青龍と若手の阿馬の対戦。朝青龍が相手だとだれもが気合が入るのだろう。阿馬もまた気合が入っているのが見てとれた。※写真は立会い前のふたり。左に次の取り組みを待つ白凰が見える。
立会いから激しい攻め。受け止めた朝青龍がぎりぎりと土俵際に阿馬を追い詰める。幕内で二番目に体重の軽い阿馬は、綱に足をかけ体を弓なりにして踏ん張り持ちこたえる。ふたたび土俵中に戻して組み合う体制にもっていって場内は拍手。しかし、最後は朝青龍が貫禄を見せて阿馬を投げ転ばせた。
「座布団とばしたかったのに残念〜」と隣から声が聞こえてきた。