東山、六道珍皇寺にて。
先祖の霊を迎える為に突く鐘である。
この鐘突き堂は中の鐘を見ることができない。
突く為には堂の中から出ている赤い紐をひっぱるのだ。
由緒あるからという事なのだろうか?
以下、寺の解説書より
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この鐘は当時の開基である慶俊僧都が造らせたもので、あるとき僧都が唐国に赴くにあたり、この鐘を三年のあいだ地中に埋めておくようにと寺僧に命じて旅立った。
しかし、留守を守る僧都は待ちきれず、一年半ばかりたって掘り出してしまい鐘をついた。
その音ははるか唐国の慶俊僧都のところまで聞こえたので、事態を知った慶俊はこういって残念がった。
「あの鐘は三年地中に埋めておけば、その後は人手を要せずして六つ時になると自然に鳴るようになったものを。惜しい事をしてくれた。」
ということで現在でも人間が突かないと鳴らないのである。
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鐘が表に出ていないことについて、寺にいたガイドさんに尋ねると、こういう答えが返ってきた。
「京都のお盆“おしょらいさん”の頃になると、一日中鐘を突くひとが行列をつくるほどで、まわりにすんではるひとがうるさいからとちゃいますか」
ほんまでっか?