たぶん二十年ぶりとなる北海道である。
国内旅行にも添乗してた時代が、通算一年以上はびっしりある。思えばあの時代にたくさんの名ガイドさんの話を聞かせてもらっていた事が、今の自分の基礎になっているのかもしれない。日本のバスガイドさんというのは、間違いなく世界最高水準にあるのだから。
人に話をする立場になってはじめて、話していた人の事が分かる様になってきた。
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まだ午後4時前だというのに、窓から見える北の空は蒼く曇っている。その下に凍えている大地が、いかにも「北海道へきた」という実感を与えてくれる。
なんとか陽の残る旭川空港に着陸。
預けた荷物をひきとり、空港の建物から出るともう空は暗くなっていた。気温は0度以下。しかし、気持ちよいと感じさせる空気だった。雪は積もっているが、道路はきれいに片付けられている。
ホテルは旭川駅から徒歩圏にあり、温泉を完備したホテルというのを条件にしてネットで選んだ。ホテルパコ。名前はちょっとかわっているけれど、北海道では有力なホテルチェーンのようである。
実際従業員の応対もしっかりしていた。
温泉は地下一階。
岩肌をむき出しにした岩盤の温泉。
露天風呂があるというのでその扉を開けてみると・・・はるか見上げる上に四角い空が見えるという、たしかに露天の風呂であった(笑)。