午前、コルマール観光、午後ストラスブール観光・宿泊の一日。
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「コルマールの観光」となっていても、コルマールで最も有名な作品を見せない行程になっているところが、このパッケージ商品の欠陥だと思う。
という事で、今回はなんとか時間を捻出してみていただく時間をつくった。入場料も各自払いではあるが、それでもやはり見ていただく「必要」があると思うのだ。
コルマールのウターリンデン美術館所蔵「イーゼンハイムの祭壇画」マチアス・グリューネヴァルド作。
これを見ないで帰るツアーは欧米人のものなら考えられない。
15世紀末、中欧ドイツのヴュルツブルグ(ロマンチック街道のスタート地点の町として知られる。シーボルトの出身地でもある)の画家、グリューネヴァルト。
実はこんな名前の人はいない。
17世紀に書かれた「ドイツ・アカデミー」という本の著者が記憶違いで書いてしまって定着した架空の名前である。マティアス・ゴートハルトとヴァルドゥンク・グリーンという二人の画家の名前を混ざって記憶していたらしい。やれやれ。
名前はどうでも、彼のこの祭壇画はどれも実に迫力があり、独創的な表現が随所に現れている。五百年が経った今でも、実物の祭壇の前に立つとその迫力に驚かされる。
けっして図録ではわからない世界である。
だからホンモノを見ていただきたいのだ。
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旅行行程製作者の良心とは、「はじめて行く人はこの町の事を知らないからここは行かなくていいや」とすることではない。
むしろ、「始めての人なんだから、ここぐらいは見ておいてもらわなくっちゃ」と考える所にある。
コルマール。
日本人にはあまり馴染みのないアルザスの小さな町だ。ここくる日本人団体が事前に「イーゼルハイムの祭壇画」の事を読んでいるこ可能性は少ないと言える。
しかし、帰国後に本を読んでその存在を知り、「ああ、見ておきたかったなぁ」」と感じる事は多々あるのだと思う。
私の存在意義は、できれば後から「ああ、あの時忙しかったけれど見せてもらえてよかった」と思ってもらうことにある。