チョコレートのボンボンです。
シャンパーニュ地方のお土産らしく、シャンパンのコルクのかたちになっております。ランスの大聖堂のすぐ前にあるお土産屋で、三種類ありました。
中身のお酒に違いがあるようです。
「じゃ、せっかくシャンパーニュだからシャンパン入りのボンボンを」と思ったけれど、よく考えたらそんなの不可能です。発泡性のお酒は瓶に入れて密封してこそ、その味を保てるもの。チョコレートの中に入れることが出来るわけはありませんでした(笑)。
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昔、ガラス瓶が現在ほどの強度を持っていなかった時代。
シャンパンの製造に関わる人は、いつ瓶が破裂するかと怖れながら仕事をしていた。その発酵が進むにつれ、瓶内部の圧力が増してゆくのだが、それをコントロールする方法などなかったのである。鉄の面をつけてカーヴに入っていたのだそうな。
それでも怪我や失明はあとを絶たなかったし、何より一本の瓶が割れると連鎖的にどんどん瓶の破壊が続き、何十本ものシャンパンがそれこそ泡と消えてしまうこともあった。シャンパンの瓶をどれも同じ具合に発砲させてゆくなど出来ない相談だった。それ程に造るのが難しい飲物であった。
発酵させる菌の発見
糖度を計る方法・機械の発明
圧力に耐える強度のある瓶の製造
安全に輸送する為の鉄道網
シャンパンが安定的に生産される為には、普通のワインとは大きく違う現代的な技術が不可欠だったのである。シャンパンは現代の飲物である。