凱旋門から十分ほど歩いた所にある紅茶専門店。
老舗らしい雰囲気と親切な応対。日本語もちょっと分かる店員さんもいて便利である。
お店の地下がティー・サロンになっていて、ケーキや軽食も食べられる空間になっていた。今日は時間もあるので、少し待ってでも座っておいしいお茶をいただく事にいたしましょう。
ここはやはり紅茶をこだわって選ぶ場所である。世界中の主要な生産地のお茶がほとんどすべてメニューにある。ダージリンだけでもずらりと二十種類をこえる茶葉がメニューに並ぶ。高級レストランのワインリストと同じかそれ以上のこだわりがあるのだ。
それはお茶としては決して安くはないが、高級ワインのような値段をださなくても紅茶の真理に触れることができる。今回小松は正直はじめて紅茶の味の決定的な違いに気づかされた気がした。
売り場でお願いすると、はかり売り用の大きな缶をあけてくれる。そこから立ち上る香り。ファースト・フラッシュと呼ばれる早摘みの新芽をたくさん含んだダージリンはとても薫り高く、夏摘みのセカンドフラッシュと比べて明らかな違いがあった。
最適とされる温度で入れられたお茶は写真のようなしっかり保温されたポットでテーブルに運ばれてくる。金属でガードされて簡単にあけられないこのポット。中がどうなっているのか気になったのでがんばって開けてみた。すると、茶葉はすでに入っていなかったのである。
これまで日本では、少々こだわった紅茶屋さんに入ってもこんなふうに紅茶を出された事はなかった。※銀座にある日本のマリアージュ・フレールには今度行ってみる事にします!
紅茶は時間が経つと出すぎて渋くなってしまう。それをいくらテーブルでお客にコントロールしてもらおうと思っても限界がある。いくらおいしい茶葉をおいしい水で適温で入れてくれようと、最後にテーブルでぶちこわしになってしまう危険があるわけだ。
ならば最適に抽出されたお茶を、保温がきちんとされた容器でテーブルに出してもらえるのが最上のサービスである。こうしておいしいケーキとともにゆっくりとお茶のおいしさを長く楽しんでいられるわけだ。
おいしい紅茶がいつまでも冷めたり渋くならないで楽しめるのならば、席に長く留まるお客さんが多いのも納得する。ポットあたり11€という値段も高くはない。